事故物件ガイドライン案が打ち出された。賃貸するときは知っておこう。

こんにちは、サラリーマン社長です。

さて、今回は【事故物件ガイドライン(案)】が国土交通省から打ち出されたので、そのネタについて考えていきたいと思います。

単なる不動産オーナーとしての素人意見なので参考程度にどうぞ。

 

まず、事故物件をご存じない方へ。

そんな方がこんな記事を読むとは思いにくいので、あえて説明する必要もない気がしますが、Wikipediaによるとこういう定義です。

事故物件(じこぶっけん)とは、広義には不動産取引や賃貸借契約の対象となる土地建物や、アパートマンションなどのうち、その物件の本体部分もしくは共用部分のいずれかにおいて、何らかの原因で前居住者が死亡した経歴のあるものをいう。ただし、死亡原因によって事故物件と呼ばないものもあるなど、判断基準は明確に定まってはいない。

 

ということで、簡単に言うと、誰かが死んじゃった部屋(物件)のことです。

 

事故ってしまったとき、争点になるのは【事故の定義】です。

  • 亡くなったのは部屋の中なのか、病院なのか
  • 死因は事故と認定すべきものなのか

このあたりが非常に曖昧な温度感で決まっていきます。

 

僕も自分の物件で事故が起きたことがありますが、この曖昧さに最も苦労しました。

入居者様の親族、弁護士、病院、警察などに確認・連絡をひたすら取る作業、、

もちろんサラリーマンをしている都合上、平日昼間に動くことはできないので、実務は管理会社がこなしてくれました。

 

事故に伴って、他の入居者様のケアとか、その後の家賃設定など、それはそれで検討事項も当然山積みでしたけど、最終的には大きな問題になることもなく、その後の運営にも影響なく対応することができました。

が、事故の定義や告知義務の基準のあいまいさに時間を奪われることが多かったです。

 

そんな事故物件に対するガイドラインが制定されたということで。

ほんまかいなという話ですが。

それでは見ていきましょう。

 

不動産オーナーには朗報。【部分的に】感が否めない。

あいまいだった基準が明確にはなりました。

【部分的に】ですが。

難しいですね。

総じて、リスクを定量化しやすくなった分、オーナーにとっても入居者にとってもメリットがあるのではないかと思います。

繰り返しますけど【部分的に】ですが。

 

今回のガイドラインを要約するとポイントは3つ。

 

1.従来の心理的瑕疵に該当する場合は変更なし

心理的瑕疵(しんりてきかし)っていうのは、「それ知ってたらここ住んでねーし!」って言われて当然だよねというネタのことです。

瑕疵(かし)って言葉が難しいんですよね。

【瑕】は、傷とか欠陥という意味です。

【疵】も、傷とか不具合という意味がありますが、こちらは人に由来する欠陥を表す意味合いがあります。人に由来することから、悪口を言う、という意味合いを内包してます。

それらをつなぎ合わせて【瑕疵】、すなわち【内包された不具合】を表す言葉です。

今まで生きてきた中では、不動産関係でしか聞かない単語ですね。

単なる感じの勉強です。

 

で、ガイドラインが制定される前から、つまり、今のしきたりにおいても、殺人とか、自殺とか、事故死、死因が明らかでない場合などは、入居者様へは【要告知】とされてます。

心理的瑕疵に該当するからですね。

これは当然っちゃ当然。

つまり、この点は今まで通りです、というのが念押しされた形になりました。

 

2.自然死は告知義務なし

ここはあいまいだった部分ですが、今回【告知義務なし】と明記されました。

ただし、特殊清掃が必要とされるケース(臭いとか虫とか)は告知義務ありです。

 

人が亡くなると、夏場では2~3日、冬場では1週間弱で臭いがしてくるそうです。

つまりこれをキャッチすることができれば高齢者の入居も怖くはないということになります。

ですが、サ高住でもない一般の不動産物件では、夏場2~3日に1回のペースで巡回しているわけでもないので、これをどうやってキャッチするのかわかりません。。

たまたまキャッチできたケースを考慮すれば、オーナー側には多少追い風です。微風?そよ風?吐息レベル?

HomepodsとかAlexaとかを備え付けておけばいいのかな。

 

3.告知義務は”概ね3年間”

3年。うーん。

オーナー側としては3年間も家賃の減額対応をするのはうれしくないです。

入居者側にとってもイマイチ。

やっぱり、形式上の期間設定という気がしますね。

 

不動産管理の視点では、今までは【事故の程度に応じた一定期間内に入居する方には告知義務がある】という常識みたいなものがありました。

過去の判例から導き出された雰囲気ルールですけど。

ここから考えると3年の告知義務は相当な事故の場合じゃないかな・・・という印象です。

 

事故ってみて勉強しましたけど、今までは、

  1. 事故った
  2. 空室になる
  3. オーナーの関係者(管理会社の社員とか)が契約する(でも実際は住まない)
  4. 適当な期間が経過後、入居者を募集する(入居者には告知しない)

こんな感じで回しているのが普通だったようです。

正直、入居者目線では嫌じゃね??というのはありますけど。

 

  • この物件、5年前の入居者が自殺してるの???
  • それ知ってたらここ住んでなくね!?

にならんこともない気がしますよね。

逆にじゃあ部屋つぶせばいいんかい。と言われたら、そこまでしなくてもニーズはありそうな気もしますけど。難しい・・・

 

結局、本当の意味のあいまいさの戦いは続く・・・

上記で示した通り、僕が経験した曖昧さはいまだ残りつづけます。

たとえばこんなケース。

 

  • 入居者が自ら命を絶とうとしてガス栓を開いた
  • 室内のガスセンサがアラートを発信し、ガス会社が部屋を訪れた
  • 部屋の中には人が倒れているのを発見
  • 意識はなかったが心音はあり、急いで病院に搬送した
  • 翌日搬送先の病院で死亡

 

入居者目線では完全に事故物件ですよね??

でも、本当に事故物件と言い切るには難しさが残ります。

 

たとえば、部屋でガス漏れは起きたけど、死亡したのは病院です。ガス漏れが起きた部屋の主がその後亡くなった、というケースは事故なのか?

たしかに自殺の意思が色濃く残れば事故物件の雰囲気は感じますけど、遺書が無かったら?自殺と断定できなかったら?亡くなったのが翌日ではなく3年後だったら?

 

一概に決めきれない要素が出てきたときに、対応方針を定めるのは難しいのです。

事故が起きたことが明確、かつ、室内で事故が完結している場合を除き、どうしても曖昧さが残ってしまいます。

結局、一般通念(とされるような概念)でとらえると、こういう対応になるかな?という基準で不動産管理側は対応することになってしまう。ということです。

 

ガイドラインが制定されても、この点は継続課題ということで。

ま、細かいことを気にしてちゃ何もできんぜよ。というのが最終的には実態に近いのかなと。

 

 

今回のガイドライン案はパブリックコメントを加味したうえで、秋ごろには正式に公表されるそうです。

不動産オーナーさんとか事故物件を気にされる入居者様は参考まで。

それではまた。