新疆ウイグル自治区の人権問題から悲劇の連鎖を知る

サラリーマンばかりに時間を使っていると、社会問題に疎くなり、いわゆる恥ずかしい大人になっていく。

これはいかん!ということで、社会の勉強している今日この頃。

 

今回向き合ったのは新疆ウイグル自治区問題です。中国による人権侵害の問題として日々報道されている。

少し勉強すると、すぐに悲劇の連鎖が起きていることがわかる。人間にとって、誰もが納得する正解などないのだなと。本当に痛いほどよくわかる。

 

なかでも、トルコに移住したウイグル民族の子供たちが「大人になったら戦士になりたい」と言う言葉。衝撃。。

 

 

この問題、ことの発端は1940年代の中国にさかのぼる。当時は毛沢東と蒋介石が主権を取るために争っていた時代。最終的に毛沢東が主権をとり中華人民共和国を設立。蒋介石は台湾に追いやられた。これが今さかんに議論されている台湾問題のルーツ。この件はまた別の機会にでも。

さてこのとき、ウイグル民族の住むエリアも中華人民共和国の領土になった。おそらく地下資源が目当てだろう。ウイグル民族は中華系の民族ではない。僕もはじめてみるまではウイグルって中華系なのかな?と思っていたけど、実際にTVで見てみると中東系の顔立ちをしていた。そしてウイグル民族はイスラム教徒が多い。それを統治した中華人民共和国は一党独裁政治だ。

ここまででだいぶ問題の輪郭が見えてくる。

イスラム教の教えと中国の政治運営が合致しないときは、ウイグル民族は中国に従わざるを得ない。一党独裁政治のもとでは自由は許されないからだ。これは荒れそうだ。

 

その後、ウイグル民族は独立を宣言。しかしそれが永続的に世界に認められる状況までには至らなかった。中国の狙いは地下資源なのだから、譲るわけはない。

宗教と国、お互いに譲らず、弱者であるウイグル側に不満は蓄積。その後、暴徒化するようになった。それに対してさらに監視、圧力を強める中国。それに対して…と繰り返される。これがウイグル問題の発端というわけ。

 

そして今、この問題がどう展開しているのか。

中国は、その後もウイグル民族に自治権を与えず、イスラムの教えも禁じた。ウイグル民族が中国に隠れて信仰していることがわかれば刑務所(収容所)行きとした。中世ヨーロッパでおきたことのようだが、2021年現在、まさに今、隣国で起きていることだ。

ウイグル民族から見ると、自由を求めて戦おうとしても軍事力では中国に勝てない。そしてウイグル語の使用やイスラム教の信仰も妨げられ、文化的にも衰退の兆しがある。さらに中国はウイグル民族の国外行きを封じたため、空港から飛び立つことはできない。つまり、廃れていく文化をただ黙って見過ごすしかない状況だ。アメリカではジェノサイドとすら非難している。

 

そこで、横行しているのが密航だ。ウイグル民族は密航業者に多額の金を支払い、中国南部、タイ、マレーシアまで移動する。マレーシアで偽造パスポートを作成しトルコに渡る。

トルコにはイスラム教徒とも多く、ウイグル民族のコミュニティがある。それを目指して密航を続けている。

もちろん途中で中国政府にバレると強制収監される。その後は想像もしたくない仕打ちが待っているのだろう。

無事トルコに逃げ切れた人は、その後、トルコ内でウイグル語の勉強をしながら、イスラムの教えを学ぶ。

 

さて、ここでウイグル民族の本来の目的は何かを思い返してみる。彼らは何がしたいのか。それは故郷を取り返すことだ。

中国と戦って勝てれば良いが、いま中国とやり合っても勝てないことは自明だ。当然ながら武器もないし、ウイグル自治区で軍事訓練などできる由もない。

となると、どうするか。

トルコに住むウイグル民族が軍事力を身につけるために行なっていること。それがイスラム過激派への合流だ。

イスラム過激派は建国を求めている。表に出てくる戦いの相手はアメリカだ。でも一部の戦闘員の目の奥には中国をみすえたメンバーがいる。ウイグル民族だ。彼らは戦力を身につけて自治区に戻り、中国と戦うつもりでいる。

 

トルコのコミュニティにいる10歳に満たない男の子にしていたインタビューが強烈だった。「将来何になりたいの?」と聞くと「戦士になりたい」とこたえていた。戦士になって国を取り返すのだという。もちろん本人の意思というよりは教育の賜物だろう。

他には、シリアでアメリカ軍に殺された兄のことを思い「アメリカをやっつけたい」と言う子もいた。

 

彼らが大人になり、中国やアメリカと戦う中で抑圧され、自由の権利を主張するやり方が暴徒化につながっていることもある。ウイグル民族によるタイでの自爆テロの背景にはこうした事情が隠れていると言われていたりもする。

 

自国内で暴徒化するウイグル民族を抑え込みたい中国、弾圧に苦しむ民族を救うためにイスラム過激派に混じってアメリカと戦うウイグル民族、テロをおこなう人とその犠牲になった(そしてこれからも増え続けるであろう)世界の人、戦士を目指す少年たち。

 

何が正義で、何が悪なのか。何が正しくて、何が間違っているのか。

きっと簡単に整理できる話ではないし、解決もできないのだろう。人類とは、そういう性質を持った生物なのだと考えるのが思考を停止させやすい答えなのかもしれない。

今日本で平和にサラリーマンをしている我々は、この現実から何を学ぶべきなのか。

 

なお、トルコは自国の武力強化に伴い、武器の調達を進めた。それに対して欧米から経済制裁を受けている。そのため目下インフレが進行中だ。

これによりトルコ国内は物を買えない貧困層が増えている。これを解消するために援助を持ちかけているのが、中国だ。

中国は一帯一路政策を進めるにあたり、重要拠点となるトルコを手の内にしたい思いがある。経済制裁を与える欧米よりも、援助をしてくれる中国に寄り添うのは当然だ。

 

さて、そのときトルコ国内にいるウイグル民族は?

ウイグル族がイスラム教国から強制送還されている 迫りくる中国の手に不安

 

 

世界は平和ではない。私たちはどう考えるのか。行動なんて起こさなくても良いけど、この世界に生きるものとして、考えることだけは放棄しないようにしよう。

それではまた。