不動産価格はいつ下がり始めるのか|いま上がり続けている理由を考えてみた
こんにちは、サラリーマン社長です。
今日のテーマは【不動産価格が上がり続けている理由】について考察していきたいと思います。
- 家は買わないと損
- 東京は人口が増えるから不動産価格は下がることがない
こういうことを言う人、職場にいませんか?
結構いますよね。僕のまわりには溢れてます。
そういう方たちに対して、全然そんなことないよーという警鐘です。
ということで、考えていきましょう!
不動産価格を上げ続けているのは【日本銀行】という仮説
金融緩和という言葉、ご存知でしょうか。
日銀が民間の銀行に対して、金利負担なしでお金を貸し出す施策です。
これにより、銀行は実質無利子でお金を借りれます。
より安い金利で企業にお金を貸し出せるようになるのです。
この金融緩和によって、企業はお金を借りやすくなるので、設備投資がしやすくなり、事業を拡げやすくなります。
企業が設備投資をすると、そこには新たな雇用が生まれ、そこから利益が生まれれば労働者の給料が上がり、結果として国民の財布の紐が緩み、景気が良くなっていく。
大雑把にまとめると、これが【金融緩和策】が期待する未来です。
この施策、金利の面で私たちにも直接影響を及ぼすタイミングがあります。
言わずもがなですが、借金をするときですね。
私たちが借金をするときの定番は、【住宅の購入時】です。
家を買うとき、私たちは1年やそこらで働いただけでは返せない、莫大な借金をします。
日銀のゼロ金利施策により、どのような影響を受けるのか。考えてみましょう。
より高いマンションが売れる背景
借金をすると、利子を支払う必要が出てきますよね。
これが銀行の利益になります。
銀行はいくらでもお金を持っているわけではないので、今持っているお金を極力高い利率で貸し出したいのですね。
一方、銀行もお金を借りています。
銀行にお金を貸し出しているのは日本銀行です。
銀行は日本銀行に利子を払う構図になっているのですね。
ゼロ金利施策によって、銀行は低い金利で日本銀行からお金を借りれます。
すると銀行は、今よりも低い金利でお金を貸し出しても利益を出せるようになります。
私たちにとっては利子の負担が少なくお金を借りれるようになります。
するとどうなるか。
私にとっては、今までは買えなかった"より良い条件の住まい"が今までと同じ給料でも買えるようになります。
正確には、銀行が今までよりも高いお金を貸し出したとしても、この人の収入なら返してもらえるよねと、計算上は見込めるようになります。
つまり、今まで以上に多くのお金を貸し出せる(私たちにとっては貸してもらいやすい)世の中になっています。
これにより、今まで郊外のアパートしか買うことができなかった人たちが、都心に近いマンションを買ったり、グレードの高いマンションを買うようになりました。
今まで一部のお金持ちしか買えなかったマンションの買い手が増えます。
難しい言葉で言うと、需要が増えるわけですね。
こうなるとマンション販売会社は、利益を上げるチャンスです。
ここぞとばかりに価格の高いマンションの供給量を増やします。
これにより高いマンションの購入・売却が増えます。
結果として、マンションの購入・売却の平均単価が上がっていったわけです。
金融施策次第でマンション価格は当たり前のように下がる
でもよーーーく考えてみましょう。
不動産は所詮【家】であり、【モノ】なので、時系列とともに経年劣化していきます。
アンティークでもない限り、古いものの価値が上がっていくことはないのです。
例外なく、不動産も耐久性は劣化しますし、設備は故障していきます。
すなわち、価値が下がっていきます。
加えて、そもそも不動産価格が上がっていった事の発端は金融緩和でした。
もし日銀が金融緩和を辞める判断をする、たとえば
- もうお金を投入しなくても景気が良くなるなぁ
- やっぱりお金投入し続けても景気上がらないよねー
というような判断すれば、金利を上げ始めます。
実際、日銀の判断に大きな影響を与えるアメリカのFRBは、徐々に金利を上げ始めてますよね。
さて、そうなると前提が変わってきます。
昔は買えなかったワングレード上のマンションは、元通り買えなくなります。
銀行が、この人の収入だと今までは貸せたけど、金利支払いが大きくなると貸せないよね、と判断するからです。
すると、都心部もしくはハイグレードなマンションを買える人が少なくなります。
すなわち需要が減ります。
これまで供給量を増やしてきたマンション業者にとって、最も避けたいのは売れ残り。
価格を下げてでも売ろうとします。
それに伴い新築が安くなり、新築より高い中古なんて買う人がいなくなりますから中古マンションも必然的に下がります。
結果、不動産市場の価格が下がってくる。
緩やかにせよ急峻にせよ、そういう大きな流れが不動産価格を取り巻いているのです。
2021年7月時点では、日銀は金融緩和を継続する姿勢を見せています。
結果的に、"今は"不動産価格は高止まりしています。
ここまで来るとわかりますね。
不動産価格が下がらない、というロジックは、日銀の経済政策を把握できてるぜ、オレは。といっているようなもの。
そんな人は一般人にはいないのです。
結局、住宅は購入したほうがいいのか、借りたほうがいいのか
上述の通り、この不動産市況が私たちの生活に影響するのは、不動産を買うときでしょう。
不動産価格は上がる一辺倒ではないことは明らかです。
ではどうやって選ぶのか。
結論としては、価格以外の要素で選ぶのが吉です。
家をカスタマイズしたいのであれば買うべきだし、家族構成が変わる可能性があれば賃貸が良いでしょう。
このテーマについては、以前詳細をまとめたのでこちらもどうぞ。
価格が上がる下がるはさておき、今何を経験するか、で考えるのが正しいと思いますね。
もちろんこれは一つの見方に過ぎません。
私は不動産市況に詳しいわけでもないし、日銀幹部に通じるパスがあるわけでもありません。
ただのサラリーマン兼不動産投資家です。
ひとつの考え方として参考にしていただければ幸いです。
それではまた。
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